職員研修用資料(OJT:SBMA・球脊髄性筋萎縮症の疾患理解と支援の基本について)

SBMAとは、球脊髄性筋萎縮症のことです。
英語では Spinal and Bulbar Muscular Atrophy といい、SBMAと略されます。
脳の一部や脊髄の運動神経細胞の障害により、話す、飲み込む、舌を動かす、手足を動かすといった筋肉に影響が出る病気です。
B型事業所では、病気そのものを治す支援ではなく、本人が安全に、安心して、無理なく作業を続けられるように環境を整えることが大切です。

SBMAの主な特徴

SBMAは、成人男性に発症することが多い進行性の神経・筋疾患です。

主な症状として、以下のようなものがあります。

特に事業所では、歩行・作業姿勢・疲労・飲み込み・むせに注意が必要です。

支援で大切な視点

SBMAの方への支援では、本人の「できること」を大切にしながら、無理をさせないことが重要です。

進行性の疾患では、以前できていたことが難しくなる場合があります。
そのため、できない部分を指摘するのではなく、今の状態に合わせて作業方法を調整することが大切です。疲労・飲み込み・むせに注意が必要です。

1. 疲労を前提に作業量を調整する

SBMAでは、疲れやすさが出ることがあります。
本人が「大丈夫」と言っていても、表情・姿勢・動作の遅れ・休憩頻度などを見ながら調整します。

ーーーーー 対応例 ーーーーー

  • 長時間同じ姿勢を避ける
  • こまめに休憩を入れる
  • 午前と午後で作業内容を変える
  • 立ち作業より座ってできる作業を優先する
  • 重い物を持つ作業は避ける
  • 本人のペースを急がせない

2. 転倒リスクに注意する

足の筋力低下や疲労により、転倒リスクが高まる場合があります。
事業所内では、通路や作業環境を整えることが大切です。

ーーーーー 対応例 ーーーーー

  • 床に物を置かない
  • 通路を広く確保する
  • 段差に注意する
  • コード類を通路に出さない
  • マットや敷物のめくれに注意する
  • 荷物運搬は職員が補助する
  • 急がせず、移動時間に余裕を持つ

3. 飲み込み・むせに注意する

SBMAでは、飲み込みに関わる筋肉に影響が出ることがあります。
食事や水分摂取の場面では、むせ・咳き込み・声の変化などに注意します。

ーーーーー 対応例 ーーーーー

  • 食事中に急がせない
  • 水分摂取時のむせを観察する
  • 飲食しながらの作業は避ける
  • むせが続く場合は記録する
  • 必要に応じて家族、相談支援専門員、医療機関と連携する
  • 窒息リスクのある食品は慎重に扱う

特に、餅、団子、ドーナツ、パン類などは、状態によっては飲み込みにくい場合があります。
本人の状態に合わせて、安全面を優先して対応します。

4. 細かい作業は「できる形」に分解する

手指の力や細かな動きに影響が出ると、細かい作業が難しくなる場合があります。
作業が遅くなったり、失敗が増えたりしても、本人の意欲が下がらないように作業を調整します。

ーーーーー 対応例 ーーーーー

  • 工程を細かく分ける
  • 道具を持ちやすいものに変える
  • 力を使う工程は職員や他利用者が補助する
  • 本人は確認、袋詰め、シール貼り、軽作業などを担当する
  • 完成度だけでなく、安全と継続性を重視する
  • 作業量を日ごとに調整する

5. 本人のプライドに配慮する

進行性疾患では、「前はできたことができなくなった」という変化が精神的な負担になることがあります。

支援者は、できない部分だけを見るのではなく、本人が安心して取り組める作業を一緒に考える姿勢が大切です。

ーーーーー 声掛け例 ーーーーー

  • 「安全にできる方法を一緒に考えましょう」
  • 「今日はこの作業量で十分です」
  • 「無理せず続けられる形にしましょう」
  • 「この工程は得意そうですね」
  • 「疲れる前に休憩を入れましょう」
  • 「作業のやり方を少し変えれば続けられそうです」

職員間で共有したい観察ポイント

日々の支援では、以下のような点を職員間で共有します。

  • 歩行時のふらつき
  • 転倒やつまずきの有無
  • 作業中の疲労感
  • 手指の動かしにくさ
  • 作業スピードの変化
  • むせ、咳き込み、飲み込みにくさ
  • 発声の変化
  • 本人の不安や落ち込み
  • 作業量と休憩のバランス
  • 前回と比べた体調や動作の変化

事業所での基本対応

SBMAの方への支援では、以下の対応を基本とします。

  • 無理をさせない
  • 急がせない
  • 疲れる前に休憩を入れる
  • 転倒しにくい環境を整える
  • 飲み込みやむせに注意する
  • 作業を本人に合わせて調整する
  • 本人の自尊心を傷つけない声かけを行う
  • 変化があれば記録し、関係機関と共有する

参考資料

難病情報センター「球脊髄性筋萎縮症(指定難病1)」
https://www.nanbyou.or.jp/entry/73

難病情報センター「球脊髄性筋萎縮症(指定難病1)概要・診断基準等」
https://www.nanbyou.or.jp/entry/234

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