感染症発生時対応訓練

感染症発生時対応訓練
感染症発生時対応訓練
利用中に感染症が疑われる症状が出た場合の対応

就労継続支援B型事業所 Libreでは、感染症が発生した際に職員が適切に対応できるよう、感染症BCPに基づいた研修・訓練を実施しています。

このページでは、「事業所を利用中の利用者に、発熱や咳などの体調変化が確認された」という場面を想定して、基本的な対応の流れを確認します。

すべての症状に同じ対応をするわけではありません

軽い鼻水や一時的な咳などの場合は、まず本人の状態を確認し、必要に応じて経過をみます。

感染症の可能性も考えて対応する症状の例

・発熱がある

・咳が続いている

・嘔吐や下痢がある

・強いだるさがある

・普段と明らかに様子が違う

・同じような症状の人が複数いる

この訓練で大切な考え方

症状の程度や周囲の感染状況に応じて対応を判断し、必要以上に事業を停止しないことも大切です。


STEP1 まず本人の状態を確認する

体調の変化に気付いた場合は、まず本人の状態を確認します。

確認する内容の例
どのような症状があるか
いつ頃から症状があるか
体温
咳や鼻水の有無
嘔吐や下痢の有無
だるさ
顔色
呼吸の状態
その他、普段と違う様子
軽い症状の場合

軽い症状で全身状態に問題がない場合は、必要に応じてマスクの着用や手洗い等を行い、経過を確認します。

ポイント

症状があるからといって、すぐに感染症と決めつけません。

まず現在の状態を正確に確認します。

STEP2 管理者へ報告する

発熱、継続する咳、嘔吐・下痢など感染症が疑われる症状や、普段と明らかに違う状態が確認された場合は、管理者へ報告します。

管理者へ伝える内容
誰に症状が出ているか
どのような症状か
いつ頃から症状があるか
現在の体温
本人の現在の状態
軽い症状の場合

軽い症状の場合も、必要に応じて管理者へ情報共有します。

ポイント

職員一人だけで「帰宅させる」「利用を中止する」などの判断をしません。

STEP3 症状に応じて感染拡大を防ぐ

症状や感染症の可能性に応じて、必要な感染対策を行います。

感染対策の例
マスクを着用する
手洗い、手指消毒を行う
他の利用者との距離をとる
換気を行う
感染症が強く疑われる場合

発熱や嘔吐・下痢などがあり、感染症が強く疑われる場合は、可能な範囲で他の利用者と離れた場所で待機してもらいます。

軽い症状の場合

軽い症状の人をすべて別室へ隔離する必要はありません。

ポイント

本人の状態や症状に応じて、必要な感染対策を選んで行います。

STEP4 必要に応じて家族等へ連絡する

発熱がある場合や、本人の体調から帰宅・受診等を検討する必要がある場合は、家族・支援者等へ連絡します。

家族等へ伝える内容
現在の体調
確認された症状
体温
事業所での様子
その後の対応

本人の状態や家族等と相談した内容を踏まえ、帰宅や受診等について調整します。

軽い症状の場合

軽い症状で通常どおり過ごせている場合まで、必ず家族へ連絡する必要はありません。

ポイント

職員だけで感染症を診断したり、「○○感染症だと思います」と断定したりしません。

家族等へは、確認できた事実を正確に伝えます。

STEP5 必要な範囲で職員間の情報を共有する

感染症が疑われる場合や、今後の経過観察が必要な場合は、必要な職員へ情報を共有します。

共有する内容
症状
体温
これまでの経過
現在行っている対応
今後確認してほしいこと
周囲の状況も確認

他の利用者や職員にも同じような症状が出ている場合は、その状況も確認します。

ポイント

必要以上に広く情報を共有するのではなく、支援や感染対策に必要な職員で共有します。

STEP6 必要な場所を清掃・消毒する

感染症が疑われる場合は、本人が使用した場所や触れた場所を確認します。

確認する場所の例
テーブル
椅子
ドアノブ
手すり
トイレ
蛇口
スイッチ類
必要に応じて清掃・消毒

使用した場所や触れた場所を確認し、必要に応じて清掃・消毒を行います。

軽い症状の場合

軽い鼻水や一時的な咳があるだけで、毎回事業所全体を消毒する必要はありません。

ポイント

症状や感染症の種類、使用した場所などに応じて、必要な範囲で対応します。

STEP7 必要に応じて接触状況を確認する

感染症への罹患が判明した場合や、感染症の可能性が高い場合、複数人に同様の症状が出ている場合などは、接触状況を確認します。

確認する内容の例
当日の利用者
対応した職員
一緒に作業していた人
送迎車に同乗していた人
食事等で近くにいた人
必要に応じて記録

確認した内容は、必要に応じてBCPの管理リスト等へ記録します。

ポイント

すべての軽い体調不良について、毎回全員の接触状況を調べる必要はありません。

感染拡大のおそれがある場合に確認します。

STEP8 必要な場合は関係機関へ相談・報告する

感染症の種類や発生人数、発生状況等によっては、医療機関、保健所、自治体・指定権者等への相談や報告が必要になる場合があります。

必要に応じて確認する相談・報告先
医療機関
保健所
自治体
指定権者等
誰が判断する?

その場合は、管理者が必要性を確認して対応します。

軽い症状の場合

軽い症状の利用者が1人いるだけで、毎回関係機関へ報告するものではありません。

報告・相談を検討する場面

・複数人に同様の症状が発生している

・感染症の発生が確認された

このような場合は、必要な報告・相談先を確認します。

ポイント

外部への報告や相談は、管理者を中心に必要性を判断します。

STEP9 感染が確認された場合は今後の対応を検討する

利用者や職員の感染症への罹患が確認された場合は、管理者を中心に今後の対応を検討します。

確認する内容
他に症状がある人はいないか
感染が広がっている可能性はないか
出勤できる職員数
必要な感染対策
通常どおり事業を継続できるか
一部業務の変更が必要か
利用者や家族への連絡が必要か
事業継続について

感染者が1人確認されたからといって、必ず事業所を休業するわけではありません。

安全に事業を継続できる場合は、必要な感染対策を行いながらサービスを継続します。

ポイント

BCPでは「感染を防ぐこと」だけでなく、「必要なサービスを継続すること」も重要です。

STEP10 必要な対応を記録する

必要な対応を記録する
対応した内容を、あとから確認できるように残します。

感染症が疑われる症状があり、帰宅、受診、感染対策、家族への連絡などを行った場合は、その内容を記録します。

記録する内容の例
いつ
誰に
どのような症状があったか
体温
どのような対応をしたか
誰へ連絡したか
その後の経過
軽い症状について

軽い症状についても、通常の支援記録として必要な内容を残します。

ポイント

すべてを特別な感染症記録にする必要はありません。

通常の支援記録で対応できるものと、感染症対応として詳細な記録が必要なものを分けます。

対応の考え方
感染症対応では、症状の程度によって対応を変えます。
① 軽い症状
例

・少し鼻水が出る

・一時的に咳が出た

・軽いのどの違和感

・本人は通常どおり活動できている

対応

・本人の状態を確認

・必要に応じてマスク、手洗い等

・経過観察

・必要に応じて管理者へ情報共有

通常の活動を続けることも可能です。
② 感染症が疑われる症状
例

・発熱

・咳が続いている

・嘔吐

・下痢

・強いだるさ

・明らかな体調不良

対応

・管理者へ報告

・他利用者との接触を減らす

・家族等へ連絡

・必要に応じて帰宅や受診を調整

・使用場所の清掃・消毒

③ 感染拡大のおそれがある場合
例

・感染症への罹患が確認された

・同じ症状の利用者や職員が複数いる

・事業所内で感染が広がっている可能性がある

対応

・接触状況を確認

・必要な感染対策を実施

・必要に応じて関係機関へ相談・報告

・職員体制を確認

・事業継続について検討

④ 緊急性がある場合

感染症への対応よりも、本人の安全を優先します。

・呼吸が苦しそう

・意識状態がおかしい

・急激に状態が悪化した

・立つことができないなど明らかに状態が悪い

このような場合は、必要な医療対応を優先します。
職員が覚えておく基本
感染症対応で最初に考えるのは、
「感染症だから全部対応する」ではありません。
① 本人の状態を見る
↓
② 必要に応じて管理者へ報告する
↓
③ 症状に応じた感染対策を行う
↓
④ 必要になった場合だけ、家族連絡・接触確認・関係機関への相談等へ進む
症状の程度に合わせて、必要な対応を選ぶことが基本です。

確認問題

Q1 利用者が1回だけ咳をしました。すぐ別室へ移動させますか?
こたえ

一律には行いません。

まず本人の状態を確認し、咳が続いているか、他の症状があるかなどを確認します。

Q2 利用者に軽い鼻水がありますが、元気に作業しています。すぐ家族へ迎えを依頼しますか?
こたえ

一律には依頼しません。

本人の状態を確認し、必要に応じて経過をみます。

Q3 発熱があり、咳も続いています。どうしますか?
こたえ

管理者へ報告し、他の利用者との接触を減らします。

本人の状態を確認したうえで、家族等へ連絡し、帰宅や受診等について調整します。

Q4 感染者が1人確認されました。事業所は必ず休業しますか?
こたえ

必ず休業するわけではありません。

感染状況や職員体制、必要な感染対策等を確認し、安全にサービスを継続できるか判断します。

Q5 同じような症状の利用者が複数出ています。どうしますか?
こたえ

管理者へ報告し、感染拡大の可能性を考えて状況を確認します。

必要に応じて接触状況の確認や、関係機関への相談等を行います。

訓練のまとめ
感染症対応では、感染対策とサービス継続の両方が大切です。
感染対策
必要な感染対策を行うこと
+
サービス継続
必要なサービスを継続すること

軽い症状まで一律に帰宅・隔離・外部報告としてしまうと、日常的な事業運営が難しくなります。

基本の流れ
① 本人の状態を確認する
↓
② 症状の程度を確認する
↓
③ 管理者へ報告・共有する
↓
④ 必要な対応だけを行う
覚えておくこと

感染症の種類や発生状況によって、必要な対応は異なります。

職員個人で過剰な対応や判断をせず、管理者を中心にBCPや感染症対策の手順を確認しながら対応しましょう。

「全部対応する」のではなく、「必要な対応を選ぶ」が基本です。

Libre(りーぶる)は、中富良野町にある就労継続支援B型事業所です。
富良野エリアで、利用者さん一人ひとりに合わせた作業活動や雑貨制作、在宅就労などの支援を行っています。
事業所の概要や利用については、Libre公式ホームページをご覧ください。

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