職員研修用資料(OJT:ASDの特性理解と支援の基本について)
就労継続支援B型事業所Libreでは、利用者さん一人ひとりの特性に合わせた関わりを大切にしています。
今回は、職員間で支援の視点を共有するために、ASD(自閉症スペクトラム)の特性理解と、日々の支援で意識したい関わり方を確認します。
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① ASD(自閉症スペクトラム)の基本理解
ASD(自閉症スペクトラム)の方は、情報の受け取り方や整理の仕方に特徴がある場合があります。
主な特徴として、次のようなものがあります。
・曖昧な表現が分かりにくい
・急な予定変更が苦手なことがある
・音、光、人の声などに疲れやすい場合がある
・得意なことと苦手なことの差が大きい
・こだわりが強く見える場合がある
・気持ちを言葉で伝えるのが苦手なことがある
ただし、ASDだから全員同じではありません。
診断名だけで判断せず、その人が何に困っているのかを見ることが大切です。

② 関わり方の基本
ASD(自閉症スペクトラム)の方への関わりでは、分かりやすく伝えることが大切です。
職員が意識したいことは、次の4つです。
・短く伝える
・具体的に伝える
・一つずつ伝える
・見通しを伝える
例えば、
「ちゃんとして」「普通にやって」「早めにお願い」ではなく、次のように伝えます。
・「この作業を3個行います」
・「14時までにここまで行います」
・「あと3個で終わりです」
・「10個できたら5分休憩しましょう」
何を・どこまで・いつまで行うのかを具体的に伝えることが大切です。

③ 作業指示の出し方
作業を伝える時は、口頭説明だけでなく、目で見て分かる形にすると取り組みやすくなります。
有効な方法は、次のようなものです。
・完成見本を置く
・写真や手順表を使う
・作業を小さく分ける
・作業量を最初に伝える
・「ここまでできたら職員に見せる」と区切る
例:木人形の帽子作り
・材料を準備する
・見本の帽子を確認する
・必要なパーツを選ぶ
・ヤスリかけを行う
・パーツを接着する
・できたところで職員に見せる
うまく進まない時は、本人の努力不足と考えるのではなく、作業の伝え方や環境が分かりにくくなっていないかを確認します。

④ 声かけの置き換え
日々の声かけは、少し言い方を変えるだけで伝わりやすくなります。
・「ちゃんとして」
→「この部分をまっすぐ置きます」
・「普通にやって」
→「見本と同じ形にします」
・「早くして」
→「14時までに5個作ります」
・「落ち着いて」
→「いったん5分休みましょう」
・「何でできないの」
→「どこが難しかったか一緒に確認しましょう」
注意や指摘をする時も、長く説明しすぎず、短く具体的に伝えることを意識します。

⑤ 不安定になった時の対応
利用者さんが不安定になった時は、すぐに注意するのではなく、まず原因を考えます。
考えられる原因は、次のようなものです。
・予定が急に変わった
・説明が分かりにくかった
・作業量が見えなかった
・音や人の声がつらかった
・終わりの見通しがなかった
対応する時は、次の点を意識します。
・声のトーンを落とす
・人前で強く注意しない
・長く説明しすぎない
・静かな場所で休んでもらう
・落ち着いてから次の行動を一つ伝える
声かけ例
・「今は少し休みましょう。5分休んだら、次の作業を一緒に確認します」
・「怒っているのではなく、確認しています。ここだけ一緒に直しましょう」

⑥ 職員間で共有すること
対応が職員によって大きく変わると、本人が混乱しやすくなる場合があります。
支援の中で分かったことは、職員間で共有します。
共有したい内容は、次のようなものです。
・どんな場面で困っていたか
・どんな声かけで落ち着いたか
・分かりやすかった伝え方は何か
・避けた方がよい声かけは何か
・次回も同じ対応でよいか
記録は、本人を評価するためだけではなく、次により良い支援を行うための材料として残します。

まとめ
ASD(自閉症スペクトラム)の支援では、本人を無理に変えようとするよりも、環境・伝え方・作業手順を整えることが大切です。
職員は、次の視点で関わることが大切です。
・どうすれば分かりやすいか
・どうすれば安心できるか
・どうすれば作業に戻りやすいか
就労継続支援B型事業所Libreでは、利用者さん一人ひとりが安心して通所し、無理のない形で作業に取り組めるよう、職員間で対応を共有しながら支援していきます。


